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す。
●関前村での活動状況
ヘロン久保田先程話しました関前村でタイムダラーを実践しています。実は昨日、一昨日はアナさんと一緒に関前村へ行って来ました。まず、何故高齢比率42%の所でタイムダラーを始めたかを話しいたします。私は松山市で“長寿杜会を考える研究会”という会をしています。WACの田中さん等に教えていただきながら、地域の9割の生き生きと元気なお年寄りたちが、どうすれば主役として地域活動が出来るだろうか。というような事を話し合っている会なのですが、愛媛県のいろんな過疎地を訪ねてお年寄りと話をしています。
1950年、その当時高齢比率40%の関前村を訪ねました。40%というのは大変のように思えますが、実際に行って見ますと、お互いに助け合って、自然にも恵まれとても豊かな生活をしていらっしゃいました。ただ「朝までトーク」ということで島の人たちと話をしてみますと、若い人たちがこの島は住みにくいと言うのです。確かに過疎地なので若い人たちは仕事を求めて大阪や広島に出ていってしまう。今島に残っている若い人たちは仕方なく親のお店を継いでいたり、役場に勤めている人たちだけです。その若者たちと話してみると、人口の過疎以上に異世代間の会話が無い、コミュニケーションの過疎が問題であるということがわかりました。
アナ・ミヤレスさんのいるマイアミを訪ねていろいろな事を聞きました。タイムダラーには高齢者と子どもたちのプログラムや高齢者と若者のプログラム等いろいろなプログラムがあります。そこで“それではこのタイムダラーを関前村に持って来よう”と考えました。ただ私自身、利益をあげる会社の経営者の1人ではあるのですが、会社からお金を持ってくるわけにはいきません、なんとかして助成金をいただきたいと思い、田中さんたちに相談して、社会福祉医療事業団では、在宅介護に関するユニークなアイディアを実践する人たちに上限500万円の助成金制度があると聞き、まず企画書を書くことにしました。私の仕事は企画書を作るのが専門ですので、3年後にはこのような効果が期待できる、とアピールできるように書き、それが通りました。500万円全額は貰えなかったのですが、400万円近くの助成金をいただき、3年前(93年)にエドガー・カーン博士(タイムダラーの創始者)とアナ・ミヤレスさんを島に1週間づつ呼ぶことができました。
カーン博士はタイムダラーの基本的な哲学を作られた先生なのですが、実際に島に寝泊まりしていただき、高齢者の人たちとお話をしていただきました。翌月(9月)はアナ・ミヤレスさんに来ていただき、タイムダラーが始まりました。最初は10人で始めましたが3年後、会員が62人になっていました。一昨日アナさんが訪問したことでまた5人の方が入会しまして、67人になりました。
このタイムダラーは関前村では「グループだんだん」という名前で呼ばれています。
“だんだん”というのは重ね重ねありがとうという意味の伊予弁です。また村にはみかんの段々畑がありますし、無理やり早く広めないでゆっくり段々と広めましょう、といういろいろな気持ちを込めた名前です。どのようなサービスをしているかというと、浴衣の着付け、子守、食事作り、草取り等、モーニングコールというのもあります。これは若いお

 

 

 

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